【性能比較】AMD Ryzen 7 5700X3DはFPS爆上がりでゲームに最適なCPU

『AMD Ryzen 7 5700X3D』はAMDのソケットAM4向けCPU。

AMD 3D V-Cacheを実装しているおかげで特定アプリやゲームに強く、マザーボードもメモリもDDR4対応のモノを買えば良いのでコスパが高いです。

ということで、今回はそんな『AMD Ryzen 7 5700X3D』がどれだけ性能が高いのか?いくつかのCPUと性能を比較してみました。

結論を先に言ってしまうと、ゲーム目的でソケットAM4対応のCPUを使いたいなら、間違いなく『AMD Ryzen 7 5700X3D』がオススメ!

特に「現在AM4対応の古いCPUを使っている」という方の乗り換え先としては最適な選択肢と言えるでしょう。

ライザーライザー

ちなみに、私が購入した『AMD Ryzen 7 5700X3D』はバルク品だったため、価格が3万円以下とめちゃくちゃお買い得でした

ちなみに『AMD Ryzen 7 5700X3D』にはバルク品とか関係なく、そもそもCPUクーラーは付属していません。

新しくPCを組み立てる場合は別途CPUクーラーが必要です。

AMD Ryzen 7 5700X3DとAMD Ryzen 7 3700Xの性能を比較してみた

まずはZen2の代表的なCPUで、実際に私も愛用していた『AMD Ryzen 7 3700X』と性能を比較してみましょう。

CPUの性能比較

『AMD Ryzen 7 5700X3D』と『AMD Ryzen 7 3700X』の性能差は以下の通り。

CPU比較
R7 5700X3D R7 3700X
コア/スレッド 8コア16スレッド 8コア16スレッド
定格クロック 3.0 GHz 3.6 GHz
最大クロック 4.1 GHz 4.4 GHz
TDP 105 W 65 W
L3キャッシュ 96 MB 32 MB
対応ソケット AM4 AM4
アーキテクチャ ZEN 3 ZEN 2

定格クロックおよび最大クロック数は『AMD Ryzen 7 3700X』がわずかに上回っています。

そのため、L3キャッシュの増量が効かない場面だと、AMD Ryzen 7 3700Xにすら性能が劣ってしまうという・・・

ですが、L3キャッシュはAMD Ryzen 7 3700Xの3倍なので、ゲームのパフォーマンスは大幅に向上。

特に「フレームレートを上げたい」という場合であれば、かなりの恩恵があります。

実際に私も検証してみましたが、ゲームによってはフレームレートが50以上も伸びました。

後、『AMD Ryzen 7 5700X3D』はTDP105Wとちょい高めなので発熱に注意。

今まで使っていたCPUに付属していたクーラー(リテールクーラー)だと厳しいかもしれません。

とはいえ、TDP105W程度であれば、5,000円以下のCPUクーラーであれば十分冷えるので安心してください。

一応参考までに、個人的には『DEEPCOOL AK400』というCPUクーラーがオススメです。

このクーラーは4本の6mm径ヒートパイプを組み合わせた優れた冷却、放熱設計のおかげで、最大220WのTDPに対応しています。

PCケースのエアフローにもよりますが『AMD Ryzen 7 5700X3D(最大動作温度:90℃)』であれば、CPU100%の高負荷が10分程度続いても90度以下には抑えられるかと。

また、アイドリング時であれば30dB以下と静音性もかなり高いのも魅力です。

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実験環境

実験環境
マザーボード ASRock B550 Steel Legend
CPU AMD Ryzen 7 5700X3DとAMD Ryzen 7 3700X
CPUクーラー 忍者 五(5700X3DでCINEBENCH1回実行してもCPU温度を平均80度以下に抑えられる)
メモリ CFD W4U3200PS-16G(メモリ DDR4-3200 16GB×1)
グラフィックボード MSI GeForce RTX 4070 GAMING X TRIO 12G
キャプチャーボード AVerMedia Live Gamer HD 2 C988
SSD(OS入り) Samsung 970 EVO Plus(NVM Express 1.3)
M.2 SSD(ゲーム用) WD Black SN770(NVM Express 1.4)
電源 ANTEC NeoECO GOLD NE750 GOLD(80PLUS GOLD認証取得/750W)
モニター フルHD(1920×1080)

※メモリ16GBピン挿しかつ、OBSでゲーム画面を録画しながらフレームレートを測定したため、フレームレートが大幅に低下しています。

【検証結果】フレームレートは最大40FPS伸びた

ゲームにもよりますが、フレームレートは最大で倍近く伸びました。

AMD Ryzen 7 3700Xも当時は超が付くほど優秀なCPUだったのですが、今となっては性能的にキツイみたいです。

平均フレームレート数の比較
ゲームタイトル R7 5700X3D R7 3700X
Apex Legends 120FPS 144FPS(最大値)
BLUE PROTOCOL 39FPS 30以下(街中)
原神 60FPS 60FPS
崩壊:スターレイル 60FPS 60FPS
ゼンレスゾーンゼロ 69FPS(街中) 109FPS(街中)
鳴潮 60FPS(街中) 110FPS(街中)
パルワールド 53FPS(高負荷) 30FPS(高負荷)
FF15ベンチ 11,065 17,347

※全てのゲームで最高設定にしています。

フレームレートの差が顕著に出たのは「ゼンレスゾーンゼロ」「鳴潮」

その中でもNPCの多い街中ではかなり大きな差が生まれました。

やはりCPUはゲームにおいて演算関係全般を実行する役割があるため、大規模な街中で何十人ものNPCが同時に動いたりする場面だと、フレームレートに差が出るのかもしれません。

多分フレームレートの伸びの悪さは、GPU単体の性能が良くても解決できない問題だと思います。

【検証結果】GPU使用率はほとんど変わらない

そして、肝心のゲームタイトル毎のフレームレートとGPU使用率は以下の通りです。

GPU使用率は正確な平均値が測定できなかったため、同じような場面で5秒毎に1回、計10回測定した平均を表に記載しています。

GPU使用率(平均)
ゲームタイトル R7 5700X3D R7 3700X
Apex Legends 72% 72%
BLUE PROTOCOL 42% 27%
原神 43% 45%
崩壊:スターレイル 37% 40%
ゼンレスゾーンゼロ 59% 53%
鳴潮 43% 27%
パルワールド 45% 50%

※全てのゲームで最高設定にしています。

GPU使用率の変化はほとんどありませんでした。

ただし、BLUE PROTOCOLと鳴潮だけはGPU使用率に10%以上の大きな差が出ています。

特に鳴潮の場合、フレームレートが出ていないにもかかわらず、Ryzen 7 3700XではGPU使用率が40%を上回ることがほとんど無かったです。

「これは単純にCPUの最適化が問題なのかな?」と個人的には思っていますが、実際のところよく分かりません。

余談ですが、CPU使用率もほとんど変わりませんでした。

【比較】ゲーム目的でAM4ソケット対応のCPUを選ぶならどれがオススメ?

ゲーム目的でCPUの乗り換えないしは新しくPCを組み立てる際、候補として個人的にオススメしたいCPUは以下の4つ。

CPU性能比較
 5800X3D 5700X3D 5800X 5700X
コア/スレッド 8コア16スレッド 8コア16スレッド 8コア16スレッド 8コア16スレッド
定格クロック 3.4 GHz 3.0 GHz 3.8 GHz 3.4 GHz
最大クロック 4.5 GHz 4.1 GHz 4.7 GHz 4.6 GHz
TDP 105W 105W 105W 65W
L3キャッシュ 96 MB 96 MB 32 MB 32 MB
対応ソケット AM4 AM4 AM4 AM4
アーキテクチャ Zen 3 Zen 3 Zen 3 Zen 3
価格(2024年) 在庫なし 34,980円 28,980円 24,462円

まず、この中でゲーム性能が1番高いのは『AMD Ryzen 7 5800X3D』、次点で『AMD Ryzen 7 5700X3D』、性能差は7%程度。

フレームレートはゲームによるものの、10FPS程度の差しかありません。

無印の5800Xと5700X3Dの総合的な性能差は5800Xの方で、ベンチマークの結果によると6%程度の差があるとのこと。

ですが、ゲーム性能は5700X3Dが大きく上回り、ゲームによっては30FPS以上の差が出ます(5700Xであればそれ以上の差が出ます)。

といった感じで、ゲーム目的であれば、絶対にフレームレートが伸びる3Dシリーズの方が最適です。

ただし、 5800X3Dは在庫がないため、購入するのであれば『AMD Ryzen 7 5700X3D』ほぼ一択。

価格については、一見5700X3Dは割高に感じますが、バルク品であれば『AMD Ryzen 7 5700X3D』でも3万円以下で購入できます。

実際に私の場合は割引価格の2.9万円(購入時のポイント含まず)で購入できました。

バルク品だとメーカー保証が無いので不安に思うかもしれませんが、今まで使っていたCPUと載せ替えれば簡単に検証可能です。

そのため、乗り換え目的で『AMD Ryzen 7 5700X3D』を買うならバルク品の購入を視野に入れてもアリだと思います。

ちなみに、バルク品にはメーカー保証が付いていないものの、販売元で動作不良による返品保証には対応しているので安心してください。

組み合わせるグラボはRTX4070 Ti SUPERまでが最適

一応ドスパラでは『AMD Ryzen 7 5700X3D』と『RTX 4080 SUPER』を組み合わせたBTOパソコンが売られていました。

ですが、『RTX 4080 SUPER』に手が出せるほど金銭的に余裕のある方であれば、CPU性能もガッツリ上げたいところ。

特にFPSなどのフレームレートをガンガン伸ばす必要のあるゲームをプレイしたいのであれば尚更。

ドスパラに限って言えばメモリも16GBしか積んでいないので、ゲームをしながら他の作業をするのはかなり厳しいかと。

とにかく、色々なWEBやYouTubeなどの情報を踏まえると、『AMD Ryzen 7 5700X3D』と『RTX 4080 SUPER』の組み合わせはちょっとバランスが悪いと感じました。

なので、個人的には『AMD Ryzen 7 5700X3D』とのバランスを考慮すると『RTX4070 Ti SUPER』までが最適、その中でも『RTX 4060 Ti』や『RTX 4060』がベストだと思っています。

Radeonだと『RX7800XT』辺りが良いですね。

じゃあ『RTX 4080 SUPER』クラスの高性能グラフィックボードだとどれくらいのCPUが最適なのか?

個人的には『Ryzen 7 7800X3D』程度のCPU性能は欲しいかな。

ただ、『Ryzen 7 7800X3D』はソケットAM5対応CPUなので、メモリとマザーボードを買い替える必要があるのが難点。

とはいえ、グラボの性能を最大限活かしたいのであれば、全部買い替えた方が後悔は少ないと思います。

AMD Ryzen 7 5700X3DはZen2からの乗り換え先として最適のCPU

ここまで『AMD Ryzen 7 5700X3D』をいくつかのCPUと比較してみました。

私の場合は『AMD Ryzen 7 3700X』から乗り換えましたが、まさかゲームによっては倍近くフレームレートが上がるとは思いもしなかったです。

自作PCを組み立てる方でもCPUを軽視しがちな方は多く、実際に私もCPU性能はそれなりにあれば良いと思っていました。

ですが、今回検証した結果、数年前に評価の高かったCPUでも、グラボの性能やゲームによっては、フレームレートがまったく向上しない場合があるということです。

特に最新のゲームだとより顕著にフレームレートの差が出ることが分かりました。

なので、現在CPUに対して高性能なグラボを積んでいて、「フレームレートが伸び悩んでいる」「PCの寿命を伸ばしたい」といった方であれば、間違いなく乗り換えた方が良いでしょう。