ゲーム大好きライザーです。
今回は、Samsungの超爆速NVMe M.2 SSD、『Samsung 970 EVO Plus』のレビューをしていきます。
実は、NVMe M.2 SSDを購入するのは今回が初めてで、「NVMe M.2 SSDはめちゃくちゃ速度速い」という評判を聞いて、その速さを実際に自分も体験してみたいということでに購入至りました。
ちなみに私の場合は、主にゲームの保存とゲーム実況動画を編集した際の書き込み先用として購入しました。
ということで、今回はそんな私が、
他のストレージと性能を比較してみてどれだけ速度が速いのか?
Samsung 970 EVO Plusを実際に使ってみて、どれだけ速度の速さを体験できたのか?
どんな人にSamsung 970 EVO Plusはオススメなのか?
そういったところを中心にレビューしていくので、良かったら参考にしてみてください。
・動画編集をする
・YouTubeでゲームの配信をする
・ロード時間が長い(多い)ゲームをする
・OSを入れる
・大容量のファイルをコピペする
Samsung(サムスン) 970 EVO Plusの特徴
スペック | Samsung 970 EVO Plus | |||
内部接続 | PCIe3.0×4/NVMe | |||
容量 | 250GB | 500GB | 1TB | 2TB |
NANDフラッシュメモリタイプ | 90層以上 3D TLC NAND(Samsung 3D-TLC NAND) | |||
物理サイズ規格 | Type 2280 | |||
シーケンシャルリード | 3500 MB/s | |||
シーケンシャルライト | 2300MB/s | 3200MB/s | 3300MB/s | 2500MB/s |
4KBランダムリード | 250000IOPS | 480000IOPS | 600000IOPS | 620000IOPS |
4KBランダムライト | 550000IOPS | 560000IOPS | ||
消費電力 | 40mW(アイドル)/ 100mW(アクティブ) | |||
MTBF | 150万時間 | |||
保証 | 5年 | |||
書き込み耐性 | 150TB | 300TB | 600TB | 1200TB |
※IOPS(アイオプス):1秒間に読み書きできる回数
※MTBF(Time Between Failures):平均故障間隔
他ストレージとの性能比較
取り敢えず『Samsung SSD 970 EVO Plus』の読み書き速度がどれくらい速いのかを分かりやすくするために、HDD、SATA3接続 2.5インチ SSDと比較してみました。
ちなみに、HDDは東芝製、SATA3接続 2.5インチ SSDはSanDisk製となっています。
まず最初はSATA3接続 2.5インチ SSD
SSDに関しては基本的にどのメーカーでも大体こんなもんです。
これくらいの速度であれば十分ゲームはサクサク動きます。
続いてNVMe SSD、今回レビューしている『Samsung SSD 970 EVO Plus』の数値ですね。
もう桁が違いますねw
シーケンシャルリードは3600MB/s、シーケンシャルライト(書き込み速度)に関しても3300MB/sとかなり爆速です。
書き込み速度は主にファイルのコピペや動画の書き出し速度に影響してきます
安価なNVMe SSDだと書き込み速度はSATA3接続のSSDと同じくらい(500~1500MB/s辺り)のものが多いのですが、『Samsung SSD 970 EVO Plus』の場合は値段のこともあってかなり速いです。
特に頻繁に大容量ファイルのコピペをする方や動画編集をする方にとってこのSSDはかなり重宝するのではないかと思います。
ただし、ゲームの読み込み速度(ロードの長さ)に関しては体感そこまで速くなったと感じられません。
これに関しては後程紹介していきます。
最後に、HDD(7200rpm)はこんな感じとなっています。
死ぬほど遅いです。
大容量の動画とか写真とか保存する分には申し分無いと思いますが、ゲームの保存場所には向いていないですね。
特にランダムアクセス(“RAND”って書いてある部分の速度)の遅さがかなり目立ちます。
SATA3接続のSSDと比較すると約400倍近くの差があります。
実は、ゲームのロードの速さとかOSを起動する速さというのは、このランダムアクセスの速さに左右されるんですよね。
よく見るとSATA3接続 2.5インチ SSDとNVMe SSDのランダムアクセスの差は倍以上あるものの、HDDとSSDの差に比べたら全然ありません。
そう考えると、NVMe SSDにしても「何故ゲームのロードが速くならないのか?」「何故OSの起動速度がそこまで変わらないのか?」というのがよく分かるかと思います。
ということで、HDDからSSDに替えたら速度の速さを実感できましたが、SSDからNVMe SSDに替えた際はそこまで速さを実感できないというお話でした。
他ストレージとのゲームロード時間比較
言葉で説明してもちょっと伝わりづらいと思うので、実際にロード時間を測ってみました。
計測に使用したのはFF14のベンチマークソフトで、最高品質フルスクリーンモードでテストしました。
また、ストレージ以外は全て同じ構成、同じ環境でのテストとなっています。
テスト環境は以下の通りです。
テスト環境(PC構成) | |
マザーボード | ASUS TUF B450-PLUS GAMING |
CPU | AMD Ryzen 7 3700X |
CPUクーラー | AMD純正クーラー |
メモリ | CFD W4U3200PS-16G(メモリ DDR4-3200 16GB×2) |
グラフィックボード | ASUS DUAL-RX5700-O8G-EVO |
キャプチャーボード | AVerMedia Live Gamer HD 2 C988 |
NVMe M.2 SSD | Samsung 970 EVO Plus |
SSD | サンディスクのやつ |
HDD | 東芝のやつ |
電源 | ANTEC NeoECO GOLD NE750 GOLD(80PLUS GOLD認証取得/750W) |
PCケース | CORSAIR 110Q |
そして、テストの結果がコチラ
赤枠で囲ってあるのが合計ロード時間です。
このように、ゲームのロード時間に関しては数秒程度の差があります。
1回1回のロード時間の差に関してはぶっちゃけそこまで無いのですが、塵も積もれば山となるということで結果的には数秒ほどの差がありました。
フレームレート(FPS)に関しては何回か測ってみたのですが、全くと言って良いほど差は無かったです。
ちなみに、HDDはこんな感じ
めちゃくちゃ遅いです。
正直、ゲームのためにわざわざNVMe M.2 SSDを買うのはちょっと高い買い物になるかもしれませんが、「数秒でも良いからロード時間を短くしたい」って方であれば購入する価値はあるのかなぁと思います。
特に、YouTubeなどでゲーム配信をする方だと1回1回のロード時間が短縮されることによって円滑にゲーム配信ができるようになるのでかなりオススメです。
Samsung SSD 970 EVO Plusのメリットとデメリット
ここからは、実際にSamsung SSD 970 EVO Plusを使ってみた際に感じたメリットとデメリットについてお話していきます。
Samsung SSD 970 EVO Plusのメリット
・読み出し、書き出し速度が爆速
・高負荷時でも速度が安定している
・ゲームのロード時間が若干短くなる
まず、読み書き速度がSATA3接続のSSDと比較して7倍近く速いっていうのは大きなメリットです。
しかも、同価格帯の3D TLC NANDの中で最も速いです。
正直その7倍近く速くなったって実感できる場面というのは限られてきますが、少なくとも4Kの動画編集などの高負荷な編集作業をするクリエイターにとってはかなり恩恵があると思われます。
単純に「とにかく速いNVMe SSDが欲しい」って方はコレ一択と言っても良いでしょう。
また、4Kの動画編集などの高負荷な編集作業であっても、速度がほとんど落ちないので作業効率のアップも期待できます。
ゲームのロード時間に関しては1回のロードだとそこまで差はありませんでしたが、数分のベンチマークテストで数秒の差が出ていました。
なので、長時間ゲームをやる方にとってはかなりの時間短縮になるはずです。
特に、
・YouTubeでゲーム配信する
・とにかくロード時間を短くしたい
・ロードが頻繁にあるゲームをやる
といった方にとってはかなり大きなメリットだと思います。
Samsung SSD 970 EVO Plusのデメリット
・発熱しやすい(常温で50度を超えることもある)
・価格が高い割に性能を実感できない
まず、発熱に関してなんですが、Samsung SSD 970 EVO Plusの場合は特に何もしていない状態で50度を超えてるくらいには発熱しています。
フルで使用している時はなんと脅威の80度超え!!!!!
SATA3接続のSSDは通常時で40度前後、フルで使用している時であっても50度を超えることはあまりないです。
それを考えるとSamsung SSD 970 EVO Plusの温度がどれだけヤバいかっていうのが良く分かるかと思います。
温度が高いとSSDの読み書き速度が低下してしまったり、SSDの寿命が短くなってしまう可能性もあるので、ヒートシンクを付けるなりして対策をする必要があるかもしれません。
ちなみに、私の場合は1000円程度で購入できる比較的安価なヒートシンクを使ったのですが、このヒートシンクを付けたおかげで通常時でも40度前後に抑えることができました。
ただ、ヒートシンクを使っていたとしてもフルで使用している時は60度をちょっと超えてしまいました。
気持ち的にはもう少し冷やしたいところではありますが、動作温度(最高性能を発揮できる温度)が0度~70度なので、60度なら全然許容範囲内です。
また、温度に関しては80度だろうが60度だろうが性能にあまり変化はなかったので、温度に関してはそこまで敏感になる必要はないと思います。
とは言っても、温度が低い方が長く持ってくれそうな感じがするので、なるべくSSDを冷やしてあげた方が良いですね。
後、価格が高い割に性能を実感できないという点なんですが、正直ゲームをやるレベルであればこのSSDは少々オーバースペックぎみになってしまうかもしれません。
一応SATA3接続のSSDと比較すると数値上ではかなり性能は上がっているのですが、ロード画面の長さはせいぜい1~2秒程度速くなるだけの差しかありません。
なので、「ロード画面が短くなった!」といった感覚は全くと言って良いほど感じませんでした。
正直ゲームだけしかやらない人からするとあまり恩恵を受けられないので、あまりストレージにお金をかけたくないって方は1万円近く安く済むSATA3接続のSSDを選んだ方が無難です。
まぁそれでも「とにかくロード時間を短くしたい」っていう方や、長時間ゲームをやる方、ないしはゲームの配信をする方にとっては少なからず恩恵はあるのかなぁと思います。
Samsung SSD 970 EVO Plusはゲーム用だと多少オーバースペックになるがロマンはある
ということで、SamsungのNVMe SSD『Samsung SSD 970 EVO Plus』のレビューは以上です。
取り敢えず性能に関しては申し分ないと言いますか、一般人が手に入れることのできるNVMe SSDの中では1番良いのではないかと思います。
ゲーム用途だと少々オーバースペックにはなってしまいますが、とにかくロード時間を短くしたいという方にはオススメできます。
また、動画編集や大容量のファイルを頻繁にコピペするような方も全然選択肢には入ると思います。
一般的な使用用途としては、個人的に比較的安価な250GBを購入してそこにOSを入れて使ってみるのが1番オススメですね
ただ、それでもちょっと高いなぁって感じる方は、これよりもかなり安価なNVMe SSDの『Crucial SSD M.2 P1』がオススメかもしれません。
スペック | Crucial SSD M.2 P1 | |||
内部接続 | PCIe3.0×4/NVMe | |||
容量 | 500GB | 1TB | ||
NANDフラッシュメモリタイプ | 64層 3D NAND QLC | |||
物理サイズ規格 | Type 2280 | |||
シーケンシャルリード | 1900MB/s | 2000MB/s | ||
シーケンシャルライト | 950MB/s | 1700MB/s | ||
4KBランダムリード | 90000IOPS | 170,000IOPS | ||
4KBランダムライト | 220000IOPS | 240000IOPS | ||
消費電力 | 40mW(アイドル)/ 100mW(アクティブ) | |||
MTBF | 180万時間 | |||
保証 | 5年 | |||
書き込み耐性 | 100TBW | 200TBW |
『Crucial SSD M.2 P1』はNVMe SSDでありながら、価格はSATA3接続 2.5インチ SSDと遜色ありません。
にも拘わらず、読み書きの速度に関しては『Crucial SSD M.2 P1』の方が数倍速いく、同じ容量で『Samsung SSD 970 EVO Plus』よりも1万円以上も安いです。
確かに速度に関しては『Samsung SSD 970 EVO Plus』の方が数値上ではほぼ倍の差がありますが、動画の編集をしたりゲームをする程度であれば体感するほどの差はほとんど無いと思います。
なので、ゲームやる程度なら『Crucial SSD M.2 P1』程度の性能でも申し分無いですし、NVMe SSDの登龍門としては『Crucial SSD M.2 P1』の方が安価なので良いかもしれません。
ただし、何度も言いますが読み書き速度に関しては、Samsung SSD 970 EVO Plusの方が数値上では倍近く速いです。
特に、QLC NANDというのは仕様上書き込み耐性が低いので、どうしても読み書きの速度に関してはTLC NANDに劣ってしまいます。
そういうこともあるので、少しでも読み書きの速度を速くしたいのであれば、多少高価ではあるものの『Samsung SSD 970 EVO Plus』を選んだ方が、後から後悔するようなことはないはずです。
後、これは私の想像でしかないのですが、ゲームに関しても今後高解像度・高画質化してゲームデータが物凄く大きくなっていけば、必然的にロード時間も長くなっていきます。
そうなれば、SATA3接続のSSDともロード時間の差がもっと開いてくるかもしれませんので、ゲーム用としてSamsung SSD 970 EVO Plusを購入する価値は十分にあるのではないかと思われます。
もし、金銭的に少しでも余裕があれば、そういった先のことを見越して買ってみるのも良いのかもしれません。
・動画編集をする
・YouTubeでゲームの配信をする
・ロードの時間が長い(多い)ゲームをする
・OSを入れる
・大容量のファイルをコピペする