
ライザーです。
このたび、ASUS様からゲーミングWi-Fiルーター『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』をご提供いただきました。
ASUS(エイスース)は、台湾・台北市に本社を構える世界的なPC・PCパーツメーカーで、革新的な製品開発で知られるテクノロジー企業。
筆者自身もゲーミングモニターやゲーミングPCの一部パーツにASUS製品を愛用しています。
今回ご提供いただいたゲーミングWi-Fiルーターは、最新規格であるWi-Fi 7に対応。
MLO(マルチリンクオペレーション)により、最大7.2Gbpsの超高速かつ低遅延なWi-Fi通信を実現します。
さらに10G WANポート、2.5G LANポート、1G LANポート×4を備え、合計16.5Gbpsの有線ネットワーク環境を構築可能。
オンライン対戦から高性能NASの運用まで、幅広いシーンで圧倒的な安定性を発揮します。
加えて、ROG独自の「Gaming Network」モードがゲーム通信を自動最適化し、モバイルゲームでも遅延を最小限に抑制。
そして見逃せないのが、ROGらしいスタイリッシュなデザインです。
放熱効率を高めた筐体構造に加え、偏光仕上げのロゴとAURA RGBライティングが、ゲーミングルームを鮮やかに演出してくれます。
「速さ」「安定性」「デザイン」――すべてを兼ね備えたハイエンドWi-Fiルーター。
この記事では『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』の仕様や使い方を詳しく解説していくので、興味のある方はぜひ参考にしてください。


ASUS ゲーミングルーター ROG Strix GS-BE7200Xの概要
| 項目 | 詳細 | 
| モデル名 | ROG Strix GS-BE7200X | 
| 無線規格 | IEEE 802.11a/b/g/n/ac/ax/be、IPv4 / IPv6 | 
| Wi‑Fi速度 | BE7200(合計最大 7,200 Mbps) ・2.4GHz:最大 1376 Mbps(4×4, 4096‑QAM, 20/40MHz) ・5GHz:最大 5764 Mbps(4×4, 4096‑QAM, 20/40/80/160MHz) | 
| アンテナ | 内蔵アンテナ × 8 | 
| プロセッサ | 1.8GHz トライコアCPU | 
| メモリ | 128MB Flash / 1GB DDR4 RAM | 
| Wi‑Fi技術 | OFDMA、ビームフォーミング、4096‑QAM、160MHz帯域幅 | 
| 動作モード | ルーター / AiMeshノード / アクセスポイント / メディアブリッジ / リピーター | 
| 有線ポート | 10G WAN ×1、2.5G LAN ×1、1G LAN ×4、USB 3.2 Gen1 ×1 | 
| サイズ / 重量 | 225 × 225 × 90 mm / 約811 g | 
| 電源 | AC入力:110–240V (50/60Hz) DC出力:12V / 3A | 
| 付属品 | WiFi 7 デュアルバンドルーター本体、RJ‑45ケーブル、電源アダプター、クイックスタートガイド、保証書 | 
| ゲーミング機能 | Game Boost、モバイルゲームモード、Gear Accelerator、UU Boost、ROG First、OpenNAT、Gaming Network | 
| セキュリティ | AiProtection、WPA/WPA2/WPA3-Personal & Enterprise、ファイアウォール、DNS-over-TLS、Let’s Encrypt、VPN(WireGuard, IPSec, PPTP, OVPN) | 
| 管理機能 | ASUSWRT、ASUS Routerアプリ、Adaptive QoS、トラフィックモニター、AiMesh対応 | 
| その他 | ゲストネットワーク、ペアレンタルコントロール、AiCloud、Time Machine対応、RGBライティング | 
詳しい仕様は下記公式サイトを参考にしてください。
ASUS ゲーミングルーター ROG Strix GS-BE7200X 外観
100円玉と比較しても分かる通り、ルーターはまぁまぁ大きめ。
その割に重量は1kg以下なので意外と軽い。
アンテナ内蔵なので、見た目はスッキリしててインテリアとも馴染みやすいと思います。
外部にアンテナが付いているWi-Fiルーターと比較して、電波のカバー範囲が狭くなることもあるらしいが、そこまで気にする必要は無いかと。
また、熱がこもらないようロゴの部分が穴開きになっていて、デザインを重視しつつ性能もしっかり考えられていて好感を持てました。
裏面にはSSIDとパスワードが書かれています。
パスワードを忘れた場合は、本体裏面を確認すればOK!
7色に輝くLEDライティング
“ゲーミング”の名にふさわしく、本体は7色に光り、存在感を放ちます。
ライティングはアプリまたはWeb管理画面から自由にカスタマイズ可能。
ナイトモードを搭載しており、光量がかなり弱くなります。
個人的には、設定した時間になると自動でLEDを消灯してくれた方が嬉しかったかな?
って思っていたのですが、実際には光量がしっかり抑えられていて、就寝時に気になることはありませんでした。
2.5G LANポートに接続すれば自動で最優先!
背面には10G WANポートと2.5G LANポートを各1基、さらに1G LANポートを4基搭載しており、合計で最大16.5Gの高速有線通信に対応しています。
特に2.5G LANポートは、特別な設定をしなくても接続デバイスのゲーミングトラフィックを自動的に優先。
たとえネットワーク全体に大きな負荷がかかっていても、このポートに接続したデバイスは最優先で通信できるため、対戦ゲームをプレイするユーザーにとって非常に心強い機能です。
わかりやすく言えば、ゲーム中に突然大容量のダウンロードが始まっても、2.5G LANポートを利用していればパケットロスが抑えられ、ラグの発生を最小限に抑えることができます。
管理画面が使いやすい
ASUSの管理画面はPCまたはスマホからアクセスできます。
他社製と比較して特別優れているわけではありませんが、直感的で扱いやすい設計です。
イラストと説明書きが多めなので、初心者の方でも扱いやすいと思います。
Wi-Fi 7の注目ポイント
Wi-Fi 7とはどんなものか?
旧規格と比較して新しく実装された技術をピックアップして簡単に解説します。
MLO(マルチリンクオペレーション)が最強すぎる
MLO(マルチリンクオペレーション)とは、Wi-Fi 7の中核技術であり、2.4GHz・5GHz・6GHzといった複数の周波数帯を同時に利用して通信を行う仕組みです。
これにより、従来よりも高速・低遅延・高安定な無線通信が可能になります。
ただし、Wi-Fi 7に対応したデバイス(iPhoneだと16以上)でないと意味が無いので注意してください。
Preamble Puncturingが必須になった
「Preamble Puncturing(干渉を避けて通信速度を高める技術)」は、Wi‑Fi 6Eでは対応が任意でしたが、Wi‑Fi 7からはすべての機種で標準搭載されるようになりました。
つまり、Wi‑Fi 7は電波干渉や障害にさらに強くなったということです。
ASUS ゲーミングルーター ROG Strix GS-BE7200Xを実際に使ってみた
実際に『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』を使って、通信速度や繋がりやすさを検証しました。
ASUS ROG Strix GS-BE7200Xの実験環境
| 実験環境 | |
|---|---|
| 光回線 | NURO光 G2T | 
| 使用端末 | iPhone16(Wi‑Fi 7対応) | 
| 使用PC | 自作PC | 
| 通信速度測定アプリ | Fast.com | 
| 建物 | 東京23区内 木造2階建て | 
| Wi‑Fiルーターの設置場所 | 2階の1番端の部屋 | 
自作PCは有線接続時の速度測定に使用しました。
光回線がG2Tなので、本製品の性能を100%出し切ることはできません。
今度、10GBの契約に変更したいと思います。
部屋の構造とネット環境は大体こんな感じです。
赤いWi-Fiルーターが『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』となっています。
旧規格Wi-Fiルーターとの通信速度比較
まず最初にメッシュWi-FiルーターとWi-Fiルーター単体での通信速度の比較をしていきます。
比較に使用したWi-Fiルーターは、他社製のWi-Fi 6対応のルーター(1万円以下)と、他社製のWi-Fi 5対応のメッシュWi-Fiルーター(2セット1.5万円)です。
メッシュWi-Fiルーターは1階と2階に設置していて、1階に設置しているメッシュWi-Fiルーターは有線LANと接続していないため、若干速度が落ちています。
Wi-Fi速度測定時、電波干渉しないよう他のWi-Fiルーターの電源をOFFにして検証しました。
計測環境:2階本体設置場所(約1m)、2階隣の部屋(約8m)、1階(約6m)。単位は Mbps(下り/上り)5GHzで通信しています。
※通信速度は極力同じ時間帯に計測しましたが、一部時間帯がズレてしまいました。
※通信速度は契約している光回線(プロバイダー)に依存します。
やはり『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』の通信速度はめちゃくちゃ速いですね。
しかも電波強度が強く、壁を隔てた2階や1階でも十分すぎるほど速度が出ています。
もしかしたら、Wi-Fi 7に対応したPCを使えば、多少離れた場所に設置しても、無線で快適にFPSをプレイできるかもしれません。
Wi-Fi 7対応の無線LANアダプター(子機)は1万円台と少々高めではありますが、ケーブルの煩わしさを軽減したいのであれば、選択肢としては十分アリです。
 ライザー
ライザー 子どもが自室でFPSをプレイしたくなっても、わざわざ家に有線LANを引く必要は無くなるかも?
とはいえ、遮蔽物が多かったり3階建の一軒家で1階の端っこにWi-Fiルーターを設置してしまっては流石に厳しいです。
そういった場合は、別途『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』をもう1台購入するか、ASUSのAiMesh対応のWi-Fiルーターを購入して、メッシュWi-Fi環境を構築した方が良いでしょう。
MLO ONとOFFでの速度差はほぼ無い
次はWi-Fi 7の最新技術であるMLOをONにした状態と、OFFにした状態とで通信速度を比較してみました。
MLO通信ができているかは、スマホの専用アプリ「ASUSルーター」の「デバイス」の項目から確認できます。
※通信速度は極力同じ時間帯に計測しました。
※通信速度は契約している光回線(プロバイダー)に依存します。
全体的にMLO OFFの方が良い数字は出ていますが、正直言って誤差レベル。
約32坪の一軒家で、しかも部屋の端にWi-Fiルーターを置いているにもかかわらず、これだけの通信速度が出ています。
なので、結果だけ見ればMLOにする必要性はありません。
だからと言って性能が低いわけではなく、一般的な一軒家(3~4LDK)でも不満が出ることはないほど、電波は十分に強力なので、安心してください。
有線接続も問題なし!ゲームも快適にプレイ可能
| 通信速度の比較 | ||
| ROG Strix GS-BE7200X(2.5Gポート) | Wi-Fi 6ルーター(1Gポート) | Wi-Fi 5ルーター(1Gポート) | 
|  |  |  | 
私の環境だと下り最大1Gbpsしか出ないので、有線接続についての優劣は特に出ませんでした。
検証結果は『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』の通信速度が1.0Gbpsと1番速かったのですが、これはたまたまです。
何度も通信速度のテストをすれば、どのWi-Fiルーターでも1.0Gbpsは出せると思います。
まぁ有線接続については、10G回線と契約しないと本領発揮できませんね。
スマホでも低遅延で快適にゲームができる
スマホでは「モバイルゲームブースト機能」により、オンライン対戦中の遅延を大幅に抑制。
安定したプレイ環境で、思い通りの操作ができます。
使用方法は簡単で、専用アプリ『ASUSルーター』からON/OFFの切り替えが可能です。
ただし、Wi-Fiルーターの管理 – 動作モードをデフォルトの「無線ルーターモード / AiMesh ルーターモード」以外に設定すると利用できないので注意してください。
デフォルトの設定から変更すると、モバイルゲームブーストだけでなく、Open NATやアダプティブQOSなど、様々な機能が使えなくなります。
 ライザー
ライザー 管理 – 動作モードの変更をする際は慎重に!
ASUS ROG Strix GS-BE7200Xの良かったところ
・電波が強力で、3階4LDKの一軒家であれば1台で全てをカバーできる
 ・2.5G ゲーミングLANポート搭載、自動でゲーム通信を優先し、ラグやパケットロスを軽減してくれる
 ・管理画面がイラストや説明書きが多く分かりやすい
 ・デザイン性が高く、アンテナ内臓型で見た目スッキリ
電波の強さで家全体をカバーできる安心感に加え、ゲーム通信を自動で優先してくれる頼もしさがあり、使っていて一切不安に思うことがありません。
さらに、初心者でも扱いやすい管理画面や、部屋に置いても映えるスタイリッシュなデザインが、実際に使わずとも「これは良い製品だ」と分かります。


ASUS ROG Strix GS-BE7200Xの気になるところ・注意するべきところ
・6GHz 320MHzに対応していない
 ・APモードだと使えない機能が多い
 ・10G回線でないと最大限性能を発揮できない
 ・価格が3万円台と高い
 
6GHz 320MHzに対応していない
Wi-Fi 7は2.4GHz 5GHz 6GHzの3つの周波数に対応していますが、『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』には6GHz帯が実装されていません。
ただし、個人的には6GHzは以下の3つの理由から仕方ないのかなと考えています。
1.6GHzに対応している機種が少ない
2.一部国と地域では使用を禁止されている
3.製造コストがかかり、価格が更に高くなる
実際のところ、筆者の環境では1Gbps近い無線通信が実現できているので、ぶっちゃけ6GHz帯が無くても全く問題ありませんね。
 ライザー
ライザー 6GHz帯が主流になるのはまだまだ先の話しかな?
また、ほとんど同じ理由から、『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』は帯域幅320MHzも実装していません。
APモードだと使えない機能が多い
多くのプロバイダーが提供するONUには、ルーター機能が一体化された機種もあります。
実際に私が契約している NURO光のONU(ZTE ZXHN F660T) はその一つで、ルーター機能を備えているのですが、残念ながらこの機能をOFFにすることはできません。
そのため、新しく導入したWi-Fiルーターは、必ず APモード(ブリッジモード) で使用する必要があります。
APモードにすると、ゲームブースト機能やOpen NAT機能など様々なが使えなくなるのが残念ポイント。
「それなら無線ルーターモードを使えば良いのでは?」と思う方もいるかもしれませんが、それだと2重ルーター状態になってしまうので絶対にダメです!
2重ルーターにすると、同じIPアドレス(ほとんどの場合は192.168)が重複して割り当てられ、通信経路が複雑化。
その結果、ポート開放がうまくいかなかったり、オンラインゲームやリモート接続で接続エラーが発生する原因となります。
では、実際に「平日のほぼ同じ時間帯に通信速度を測定するとどうなるのか?」その結果が以下の通りです。
| 2重ルーターにした場合の通信速度比較 | ||
|---|---|---|
| 距離 | APモード | 無線ルーターモード(2重ルーター) | 
| 約1m(2階本体設置場所) |  |  | 
20回以上テストをしても400Mbps以上にはならなかったので、完全に2重ルーターが悪さをしてると考えて間違いないでしょう。
正直、ゲームブースト機能やOpen NAT機能は、わざわざ二重ルーター環境にしてまで使うほどのものではありません。
それよりも、多少の機能を犠牲にしてでも Wi-FiルーターはAPモードで運用する方が確実に安定します。
一応言っておくと、これはASUSのWi-Fiルーターだけでなく、全てのWi-Fiルーターに当てはまる“仕様”であって、ASUSのWi-Fiルーターの性能が低いわけではありません。
あくまでNURO光のONUがルーター機能がOFFにできないのが悪いのです。
10G回線でないと最大限性能を発揮できない
今回の検証からも分かるように、『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』の性能を100%発揮するには10G回線が必須です。
特に有線LANの2.5Gポートは、1G契約では本来の半分すら活かせず、オーバースペックになってしまいます。
とはいえ、ゲーミングLANポートによるパケットロスの軽減は、対戦ゲームをプレイするユーザーにとって大きなメリット。
さらに本機にはそのほかにも多彩な機能が搭載されているため、それらを含めて自分にとってメリットが大きいと感じられるなら、十分に購入を検討する意味があるでしょう。
 ライザー
ライザー 絶対、購入前に現在契約している回線を調べよう!
価格が3万円台と高い
『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』は、Wi-Fiルーター全体の中でも高価格帯に位置するモデルです。
実売価格は3万円以上と、いわゆる5万円以上するハイエンドWi-Fiルーターの“入門機”にあたります。
性能を最大限に活かせるのは、3~4LDK程度の広さを持つ2階建て以上の一軒家や、電波干渉が多いマンションといった環境です。
強力な電波性能とゲーミング向けの最適化機能を備えているため、複数人が同時にゲームや動画視聴を行うようなシーンでも安定した通信を実現できます。
一方で、ワンルームや1Kといった小規模な住環境では、その高性能を持て余してしまい、オーバースペックになりがちです。
そうした場合は、より手頃な価格帯のWi-Fi 7ルーターや、前世代のWi-Fi 6/6Eルーターでも十分に快適な通信環境を構築できるでしょう。
ASUS ROG Strix GS-BE7200Xはこんな方にオススメ!
・10Gの光回線を使っている
・Wi-Fi 7対応のデバイスを持っている(例:iPhone 16シリーズ以上)
・現在使っているWi-Fiルーターが古く、新しく買い替える予定(自宅でWi-Fi 5のルーターを使用しているなら買い替え推奨)
・2階建て以上の一軒家または電波干渉しやすい3~4LDKのマンションに住んでいる
・複数人で同時にゲームをプレイする
『ASUS ROG Strix GS-BE7200X』は、最新規格Wi-Fi 7の高速性と安定性、そしてゲーミングに特化した機能を兼ね備えたハイエンドルーターです。
価格は高めですが、環境さえ整っていればその実力を存分に発揮し、日常のネット体験を大きく変えてくれる存在になるでしょう。




















































