
ライザーです。
このたびMAONO様から『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』をご提供いただきました。
MAONO(マオノ)は、2013年に設立された中国・深セン拠点のオーディオ機器メーカー。
マイクロフォンや関連アクセサリの研究開発と製造を主力とし、世界中に製品を供給しています。
日本でもここ数年でユーザーが増えてきましたが、まだまだ隠れた実力派ブランドと言えるでしょう。
私自身も恥ずかしながら、今回MAONO製マイクを手にするのが初めてで、品質や音のクリアさがどれほど優れているのか全く分からなかったです。
ということで早速使ってみましたが、結論から先にお伝えすると、PD300XTは「コンデンサーマイクの繊細さ」と「ダイナミックマイクのタフさ」を見事に両立した一本でした。
USB接続だけで手軽に使えるうえ、XLR接続にも対応しているので、カジュアルに配信をしたい方から本格的な録音用途まで幅広くカバーできます。
万人にオススメできるダイナミックマイクと言えるでしょう。
特に、「これから配信を始める方」や「ゲームのボイスチャットをしたい方」「リモートワークで使いたい方」にとっては、最高の製品だと思いました。
この記事では『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』について、これら仕様や使い勝手を他社製のマイクと比較しながら紹介していきます。
「YouTubeやTwitchなどで配信を考えている」
「USB接続できるマイクを探している」
「ダイナミックマイクに興味がある」
といった方はぜひこの記事を参考にしてみてください。


・ダイナミックマイクだから丈夫で扱いやすく、周囲の雑音を拾いにくい
・本体がオール金属製で頑丈
・USB接続できる(オーディオインターフェース不要)
・XLR接続できる
・リアルタイムモニタリング機能で、自分の声が正しく入っているか確認できる
・低感度でありながら、AIマイクで音量不足を解消できる
・専用ソフト『Maono Link』で音量や音域を調整、音声にエフェクトをかけられる
・ショックマウントとスタンドベースが付いているから買ってすぐ使える
MAONO ゲーミングマイクPD300XTの概要
付属品 | |
![]() | |
マイク本体 | |
ショックマウント | |
マイクスタンド(台・ポールの組み立て式) | |
5/8インチ-3/8インチ変換ねじアダプタ | |
USB Type-C to USB Type-A or USB Type-Cケーブル | |
取扱説明書(本体とスタンド2つの説明書) |
PD300XTの外観
本体は金属製で、写真でも分かるくらいかなり頑丈な作り。
ポップフィルターは着脱可能で、外すとこんな感じ。
集音する部分はマイクの先端(上)部分のみ。
マイクを使う際は、先端部分を前に持ってくるよう気をつけてください。
背面にはXLRジャック、USB Type-Cジャック、3.5mmヘッドホンジャックが備わっています。
USBケーブルは付属の製品でなくても、USB Type-Cにさえ対応していれば純正品でなくても問題ありません。
ショックマウントは着脱可能
ショックマウントは外周が金属製で、接続部分は分厚いラバー素材です。
着脱も可能で、取り外す際は「ラバーを爪から外したい方向へ押し出す」ようにすると、スムーズに外せます。
装着時はラバー部分を爪に引っ掛ければ問題ありません。
なお、そのままの状態でマイクアームに取り付けると上下が逆になり、ノブやミュートボタンが下側になって使いにくくなります。
そのため、ショックマウントの着脱方法は覚えておくと便利です。
スタンドは金属製でしっかりしている
このマイクにはスタンドも付属しています。
全て金属製なので結構重いです。
その分マイクの重量をしっかり支えてくれるので安心感があります。
【配信者に嬉しい】MAONO ゲーミングマイク PD300XTの便利機能
『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』には、一般的なコンデンサーマイクやダイナミックマイクにはない便利な機能が数多く搭載されています。
イメージとしては、「マイクの中に小型のオーディオインターフェースが内蔵されている」ような感覚です。
それでは、このマイクならではの魅力的な機能を順番にご紹介します。
USB/XLR両方対応で環境に合わせた接続方法を選べる
USBとXLRの両方の接続に対応しています。
USB接続であれば、オーディオインターフェースが無くても、手軽に配信や録音が可能。
XLR接続であれば、ミキサーやオーディオインターフェース経由で接続でき、音質や音作りの自由度が高くなります。
最初はUSB接続で使ってみて、後からオーディオインターフェースなどの機材が欲しくなってから足すことも可能です。
外出先ではUSB接続、自宅ではXLR接続といった使い分けもできます。
とにかく、両方の接続方式に対応してるから便利ですね。
ゲーム機とUSBで接続できる
以下のようにUSB接続に対応しているゲーム機であれば、問題なく接続できます。
実際にNintendo Switch 2に接続してみたところ、ちゃんと認識してくれました!
これならPCが無い方でも相手とボイスチャットしながらゲームで遊べますね。
ヘッドホン端子接続でリアルタイムモニタリングできる
ヘッドホン端子に接続すると、PCからの音声と、自分のマイクで拾った声の両方を同時にモニターできます。
この機能を活用すれば、ゲーム配信やオンライン会議などで、自分の声が正しく入っているかをリアルタイムで確認可能です。
リアルタイムモニタリングの音質も良好で、ノイズもなく、自分の声を聞いて違和感を覚えることもありませんでした。
また、ノブを使えば、PCの音声と自分の音声ボリュームの調節もできます。
ミュートのON OFFの切り替えができる
USB接続時は、マイク本体のミュートボタンで音声のON OFFを切り替えられます。
さらに、ミュートボタンを2秒以上長押しすると「カスタム機能」のON OFFも操作可能です。
このカスタム機能は、専用ソフト『Maono Link』で設定できるもので、
・ノイズキャンセリング
・ノイズゲート
・EQプリセット
・EQカスタム
といった機能を割り当てることができます。
ノブで音量を調節できる
ノブで以下の3つを操作可能です。
・マイクゲイン
・ヘッドホンボリューム
・モニターミックス調整
これらはノブを短押しすることで、モードを切り替えられます。
専用ソフト『Maono Link』でマイク音声の調整ができる
専用ソフト『Maono Link』を使えば、ノブを使用せずに、ソフトウェア側でマイクやヘッドホンのボリューム調整ができます。
また、イコライザーの設定も可能で、自分好みのマイク設定にカスタマイズ可能。
例えば、高音が弱ければ高音のみフィルターをかけたり、エアコンや自分の声が低音で響くようであれば、ローカットフィルターを使うなど。
専用ソフトでオーディオインターフェースと似たようなことができます。
Maono AI Microphoneで自分の声を増幅できる
『Maono AI Microphone』は、AIによって音声を再処理し、特定の音(主に話し手の声)を増幅してくれる機能。
簡単に言えば、マイクから出力された音声信号を増幅する「マイクプリアンプ」とほぼ同じ機能を内蔵していると考えて問題ありません。
WindowsやOBSの入力設定で『Maono AI Microphone』を選択すると反映されます。
うまく接続できない場合は、マイクをUSB接続した後、専用アプリ『Maono Link』を起動してください。
また、Windowsの設定でも「電源オプション」から「高速スタートアップ設定」を無効にすると、PC起動時でも認識されるかもしれません。
後ほど、実際に録音した音声も紹介しますが、配信される音声はノイズが除去されたクリアな原音で非常に高品質でした。
ちなみに、『Maono AI Microphone』は本来USB接続時のみ有効ですが、現在はバグでXLR接続時でも使えるようになっているとのことです。
MAONO ゲーミングマイクPD300XTで実際に録音してみた
ということで、実際に『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』を使って自分の声を録音してみました。
USB接続時と、オーディオインターフェース接続時でどれだけ音声が変わるのか?
同価格帯のコンデンサーマイク『audio-technica AT2035』と比較してどのくらい音質の違いがあるのか?
この辺りを重点的に見ていきましょう。
ちなみに、実験環境は以下の通りです。
・使用するオーディオインターフェース(アナログ・ミキサー)はYAMAHA AG03 MK2
・口元から10cm程度離した状態で録音
・一部検証ではMaono AI Microphoneを使用して音量を増幅
で、実際に録音した音声がこんな感じ。
音量注意!
MAONO ゲーミングマイクPD300XT-USB接続
MAONO ゲーミングマイクPD300XT-USB接続(AIによる音量増幅、口元から20cm近く離しました)
MAONO ゲーミングマイクPD300XT-YAMAHA AG03 MK2(音が小さかったため、編集で音量を底上げしました)
MAONO ゲーミングマイクPD300XT-YAMAHA AG03 MK2(AIによる音量増幅、今後使えなくなる予定)
audio technica AT2035
実際に私も聴き比べてみましたが、どの接続方式でも音質は良好です。
ただし、PD300XTをXLR接続した場合と比べると、USB接続ではややノイズが強めに感じられました。
それでも、ゲーム実況や配信、リモートワーク用途としては十分に満足できる性能です。
特に『Maono AI Microphone』による音量増幅は、良くも悪くも効果が非常に大きく、マイクのボリュームレベル3(本体LEDインジケーターが3つ点灯)でもかなりの爆音になりました。
小さな声でもしっかり音声が拾える反面、音量調整はかなり難しい印象です。
また、今回はバグにより一時的に使用できたXLR接続時とAIの組み合わせを試してみましたが、USB接続時よりも音質は明らかに良好でした。
今後のアップデートで利用できなくなるとのことですが、個人的にはぜひ残してほしい機能です。
なお、AT2035はコンデンサーマイクという特性上、リップノイズを拾いやすいのではないかと感じました。
Nintendo Switch 2接続時は音質が大幅に低下する
Nintendo Switch 2内蔵マイクと、MAONO ゲーミングマイクPD300XTのマイク音質の比較検証もしました。
結果的にはマイク音質はPD300XTを使うことでノイズが大幅に低減されて聞き取りやすくなったが、PCとUSB接続した時とは異なり全体的に声が籠もって聞こえます。
正直、5,000円台の安価なゲーミングヘッドセットのマイク性能がほぼ変わらないないので、わざわざSwitch 2用にこのマイクを選択するのはオススメできません。
MAONO ゲーミングマイクPD300XTの良かったところ
『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』を実際に使って分かった良かったところと気になるところをまとめました。
・USB接続時の音質が良い
・ダイナミックマイクでありながらマイクの音量がしっかり出る
・ショックマウントとスタンドベースが付いているから買ってすぐ使える
USB接続時の音質が良い
ほとんどの場合、マイクをUSB接続すると音質が劣化しますが、PD300XTの場合はそこまで劣化しなかったので驚きました。
1~2万円クラスのオーディオインターフェースと接続した時と遜色ないくらい音質は良いと思います。
ダイナミックマイクでありながらマイクの音量がしっかり出る
ダイナミックマイク最大のデメリットは「XLR接続時の音が小さい」という点。
コンデンサーマイクとは異なり、ダイナミックマイクはファンタム電源を必要としないかわりに、雑音を拾いにくく、大音量の入力にも強いのが大きなメリット。
その反面、感度が非常に低く、PD300XTの場合は入力感度がXLR接続時だと-52dBとなっています。
ダイナミックマイクとしては標準的ではあるものの、ゲイン幅の低い『YAMAHA AG03 MK2』などのオーディオインターフェースとの相性がかなり悪いです。
実際『YAMAHA AG03 MK2』の最大ゲインは+60dBなので、ほぼフルテンでないと十分なマイク音量を出力できません。
ですが、PD300XTはUSB接続時に「Maono AI Microphone」による一部の音(通常では話し手の声)を増幅する機能のおかげで、あまり大きな声を出せない環境であっても十分すぎるほどの音量を確保できます。
ショックマウントとスタンドベースが付いているから買ってすぐ使える
『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』には、USBケーブル・ショックマウント・スタンドベースなど、必要な付属品がひと通り揃っています。
しかも、スタンドベースはオール金属製、ショックマウントは厚みのあるゴム製で、手に取った瞬間に品質の高さが感じられる仕様です。
別途オーディオ機器を購入する必要はなく、組み立ててUSB接続するだけですぐに使用可能。面倒な設定や余計な出費の心配もありません。
手軽に本格的なゲーム実況・配信環境を構築できるため、初心者にとっても頼れる一本です。
MAONO ゲーミングマイクPD300XTの気になるところ・注意するべきところ
・XLR接続時はマイク側でミュートON OFFの切り替えができない
・ノブが小さく操作しづらい
・説明書の内容が不十分
XLR接続時はマイク側でミュートON OFFの切り替えができない
XLR接続にすると、この通りボタンは一切光らず、ノブやミュートボタンが機能しなくなります。
まぁこればかりはXLR接続の特性上仕方ないですね。
ミュートやボリュームコントロールはオーディオインターフェース側でやるしかありません。
ノブが小さく操作しづらい
マイクに付いているノブが小さく、ショックマウントもあるせいか指が当たって操作しづらかったです。
とはいえ、頻繁に触る部分では無いですし、特にストレスは感じませんでした。
ミュートボタンは普通に押しやすかったです。
説明書の内容が不十分
必要最低限のことは書かれていますが、結構重要な部分が抜けていたりします。
例えば、この記事でも解説した「ショックマウントの着脱方法」や「Maono AI Microphoneの仕様」の説明はどこにも書かれていませんでした。
ちなみに、公式サイトは日本語に対応しておらず、Amazonの製品説明欄にも詳細は書かれていなかったので、追記してくれるとありがたいです。
MAONO ゲーミングマイクPD300XTはゲーム実況・配信初心者にオススメのコンデンサーマイク
ということで、『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』のレビューは以上になります。
まとめると、『MAONO ゲーミングマイクPD300XT』は、手軽さと本格性能を両立したオールラウンダーマイクです。
USB/XLR両対応で環境や将来のステップアップにも柔軟に対応でき、ショックマウントやスタンドベースなど必要な付属品も揃っているため、購入直後から即戦力として活躍します。
音質面では、USB接続でも十分クリアで、「Maono AI Microphone」による音量増幅が頼もしい存在。
リモートワークやボイスチャット、配信など幅広いシーンで安心して使えます。
一方で、XLR接続時のミュート操作不可や、説明書の情報不足といった改善点もあるため、そこは事前に理解しておくと安心です。
総じて、初めての本格マイク選びで迷っている方や、配信・録音環境をステップアップさせたい方に強くオススメできる一本と言えるでしょう。
特に、「まずはUSBで始め、後からXLR環境にも挑戦したい」という方には最適な選択肢だと感じました。


・ダイナミックマイクだから丈夫で扱いやすく、周囲の雑音を拾いにくい
・本体がオール金属製で頑丈
・USB接続できる(オーディオインターフェース不要)
・XLR接続できる
・リアルタイムモニタリング機能で、自分の声が正しく入っているか確認できる
・低感度でありながら、AIマイクで音量不足を解消できる
・専用ソフト『Maono Link』で音量や音域を調整、音声にエフェクトをかけられる
・ショックマウントとスタンドベースが付いているから買ってすぐ使える