Nintendo Switch 2はゲーミングPCを超えた?性能を徹底分析

Nintendo Switch 2の性能はゲーミングPCを超えるのか?

SNSでは「もうゲーミングPCはいらない?」といった声も見られるほど、Nintendo Switch 2は高性能と話題になっています。

ですが、実際のところNintendo Switch 2は、ゲーミングPCを凌駕する性能とまではいきません。

比較対象にもよりますが、Switch 2の性能は「10万円前後で買えるRTX 3050搭載のエントリーモデルのゲーミングPCにも及ばない」のが現実です。

それでも、Switch 2にはマリオシリーズなどの専用タイトルや、約5万円でサイバーパンク2077などのサードパーティ製激重ゲームがプレイできるといった、ゲーミングPCにはない大きな魅力があります。

この記事では、「Nintendo Switch 2の性能はどれほどのものなのか?」そして「ゲーミングPCではどのレベルに相当するのか?」を徹底分析していきます。

Switch 2の性能に興味のある方はぜひ参考にしてみてください。

Nintendo Switch 2のスペックはどれくらい?

「Nintendo Switch 2がどれくらいのスペックなのか?」Nintendoの公式サイトやYouTubeの動画、NVIDIAの公式ブログなどを参考に明確にしていきます。

Nintendo Switch 2のスペック

まずはNintendo Switch 2のスペックを見てみましょう。

ついでに、前世代機であるSwitchとも比較してみました。

Nintendo SwitchとNintendo Switch 2の比較
項目 Nintendo Switch 2 Nintendo Switch
サイズ 縦116mm×横272mm×厚さ13.9mm(Joy-Con取り付け時)
最大厚さ30.7mm(突起部分含む)
縦102mm×横239mm×厚さ13.9mm(Joy-Con取り付け時)
最大厚さ28.4mm(突起部分含む)
質量 約401g(Joy-Con 2取り付け時:約534g) 約297g(Joy-Con取り付け時:約398g)
画面 静電容量方式タッチスクリーン
7.9インチ広色域液晶ディスプレイ
1920×1080ピクセル
HDR対応、最大120Hzの可変リフレッシュレート
静電容量方式タッチスクリーン
6.2インチ液晶
1280×720ピクセル
CPU/GPU ※NVIDIA社製カスタムプロセッサー NVIDIA社製カスタマイズされたTegraプロセッサー
本体保存メモリー 256GB(UFS) 32GB
通信機能 無線LAN(Wi-Fi 6)/Bluetooth
TVモード時は有線LAN接続可能
無線LAN(IEEE 802.11 a/b/g/n/ac準拠)/Bluetooth 4.1
TVモード時のみ市販の有線LANアダプターで接続可能
映像出力 最大3840×2160ピクセル60fps
1920×1080/2560×1440ピクセル選択時は120fps対応
HDR10対応
最大1920×1080ピクセル60fps
(TVモード時にHDMIケーブル経由で出力)
テーブルモード・携帯モードでは1280×720ピクセル
音声出力 リニアPCM 5.1ch対応
TVモード時はHDMI経由で出力
ヘッドホン/スピーカー出力時サラウンド効果付与
リニアPCM 5.1ch対応
TVモード時はHDMI経由で出力
スピーカー ステレオ(独立エンクロージャー構造) ステレオ
ボタン 電源ボタン/音量ボタン 電源ボタン/音量ボタン
USB端子 USB Type-C®端子2ポート(下部:充電・ドック接続、上部:周辺機器接続) USB Type-C™端子(本体の充電やドック接続に使用)
ヘッドホン端子 3.5mmの4極ステレオミニプラグ(CTIA規格) 3.5mmの4極ステレオミニプラグ(CTIA規格)
ゲームカードスロット Nintendo Switch 2ゲームカード、Nintendo Switchゲームカード対応 Nintendo Switchソフトのゲームカード専用
microSDカードスロット microSD Expressメモリーカード(最大2TB)対応※本体更新が必要 microSD/microSDHC/microSDXCメモリーカード対応※本体更新が必要
センサー 加速度センサー/ジャイロセンサー/明るさセンサー 加速度センサー/ジャイロセンサー/明るさセンサー
動作環境 温度:5~35℃/湿度:20~80% 温度:5~35℃/湿度:20~80%
内蔵バッテリー リチウムイオンバッテリー/5220mAh
※取り外し不可、有償交換可能
リチウムイオンバッテリー/4310mAh
※取り外し不可、有償交換可能
バッテリー持続時間 約2~6.5時間
※使用ソフトにより変動
約4.5~9.0時間
※ゼルダの伝説は約5.5時間
充電時間 約3時間
※スリープ状態で充電
約3時間
※スリープ状態で充電
消費電力 未公開 TVモード時:ゲームプレイ約7W、映像再生約6W
携帯モード:ゲームプレイ約4W、その他0.03~0.01W

※確定ではありませんが、Nintendo Switch 2で使用されているSoCは「Nvidia Tegra T239」とのこと。

実際に比較してみると、Nintendo SwitchからNintendo Switch 2になったことで全体的に性能が向上していることが読み取れます。

ただし、上記表だけでは「実際にどれくらいのスペックなのか?」ほとんど分かりません。

この表で分かるのは、あくまでNintendo Switch 2は最大4K(3840×2160ピクセル)60fpsに対応。

フルHD(1920×1080)またはWQHD(2560×1440ピクセル)であれば120fps出せますよってくらい。

とはいえ、4K 60fpsやフルHD 120fpsなどの数値はあくまで理論値。

何なら最大限性能を発揮できる場面はほとんど無いと断言しても良いでしょう。

実際、前世代のNintendo Switchは、フルHD 60fpsに対応してたものの、ポケモンSVやFortnite、Apex Legendsなど30FPSしか出ないゲームばかりでした。

なので、Nintendo Switch 2の“本当の性能”を知るためには、「NVIDIA社製カスタムプロセッサー」のスペックを、公式サイトや動画を参考に紐解く必要があります。

Nintendo Switch 2は前世代機の10倍のグラフィック性能と言われている

一応NVIDIA公式ブログによると、Nintendo Switch 2には、専用のRTコアとTensorコアを搭載したNVIDIAカスタムプロセッサを採用。

この新しくなったカスタムプロセッサによって、Nintendo Switch 2がHDRと※AIアップスケーリング、レイトレーシングに対応。

携帯モードでは1080p解像度と最大120fps、ドックモードでは4K解像度でのゲームプレイが可能となりました。

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RTコアはレイトレーシングに特化したコア、TensorコアはAIや大量のデータの処理するのに特化したコア

また、NVIDIA G-SYNCにも対応したことで、携帯機モードではNVIDIA G-SYNCによるVRRによって超スムーズなゲーム画面になります。

総合評価として、前世代機であるSwitchの10倍のグラフィック性能になったとのこと。

参考WEB:Nintendo Switch 2 Leveled Up With NVIDIA AI-Powered DLSS and 4K Gaming

取り敢えず「めっちゃ光と影の表現がキレイになって、ゲーム画面が粗くなってもAIで補正してくれるからカクカクになりにくい」って感じだと思います。

※余談ですが、DLSSなどのアップスケーラーに使われているAIは、絵を自動で描いてくれる生成AIではありません。

あくまでゲーム画面を自動で滑らかに“補正”してくれるTAAベースの補助AIです。

身近な技術で言うと、パナソニックのビエラというテレビが、似たような仕様になっています。

最近AI関連になると不安になられる方がいるので、一応補足しておきました。

「DLSSによるアップスケーラーがどれだけグラフィックに影響するのか?」興味のある方は、以下動画を参考にしてください。

ほとんどのゲームはフルHD 60FPSでプレイできるかも

NVIDIA公式ブログによると、Nintendo Switch 2は前世代機であるSwitchの10倍のグラフィック性能らしいです。

ただ、10倍という数字だけでは全然腑に落ちません。

ということで、Nintendo Switch 2の性能がどれくらいなのか?上記動画に掲載されているFPSを参考に表を作成しました。

Nintendo Switch 2対応ゲームの解像度とFPS一覧
ゲームタイトル 解像度 FPS
マリオカートワールド 1440p 60 FPS
ドンキーコング バナンザ 1080p 60 FPS
ゼルダの伝説BotW,TotK 1440p 60 FPS
The Duskbloods 1080p 30 FPS
サイバーパンク2077 1080p 30 FPS(不安定)
FF7リメイク 1080p 30 FPS

※ブレワイ、ティアキンは4K&60fpsでプレイ可能らしい

やはりサードパーティ製の激重タイトルのフレームレートは30FPSとかなり落ち込んでいます。

しかも30FPS張り付きというわけでもなく、場合によってはフルHDから画質を落として、フレームレートを維持するような感じでしょうか。

ですが、マリオカートワールドやドンキーコングは60FPS出てるので安心です。

この動画だけでは、フルHDで120FPS出せるかは分かりませんが、マリオカートワールドならフルHD 120FPS出せるかもしれません。

とまぁゲームの重さによってフレームレートは異なるものの、取り敢えず「新作の任天堂タイトルであれば、フルHD 60FPSは出せるかな?」といった感じですね。

正直、Nintendo Switchは性能が低すぎるせいか、ポケモンSVのゲーム画面がカクカクして個人的に快適にプレイできなかったので、Switch 2のポケモンはヌルヌル動いてくれることに期待しています。

Nintendo Switch 2のグラフィック性能はPS4 Proに近い

確定ではありませんが、Nintendo Switch 2で使用されているSoCは「Nvidia Tegra T239」というT234をカスタマイズしたチップが使われています。

そして、GPUの演算性能(FLOPS)は約3.1 TFLOPSらしいです。

まぁ数値だけ出されてもわからないと思うので、各ハードのFLOPSを表にしてみました。

FLOPS 比較表
ハード名 公称FLOPS
Nintendo Switch 2 TVモード:約3.1 TFLOPS、携帯モード:約1.71 TFLOPS
Nintendo Switch 約0.5 TFLOPS
PS4 約1.84 TFLOPS
PS4 Pro 約4.20TFLOPS
PS5 約10.28 TFLOPS
Xbox Series S 約4 TFLOPS

本体性能はFLOPSだけで語れるものではありません。

ですが、FLOPSだけで見れば、Nintendo Switch 2の性能はPS4以上、PS4 Pro以下の性能です。

ただ、個人的には「Nintendo Switch 2は、PS4 ProやXbox Series Sに近い性能を持っている」と考えています。

実際にストリートファイター6の映像を見てみると、PS4よりNintendo Switch 2のゲーム画面の方がキレイに感じました。

どうやら、Switch 2のメモリ(RAM)の容量がXbox series Sよりも多いらしく、それ故にグラフィックがキレイになったとのこと。

また、「DLSSのおかげか、Switch2はPS5よりも入力遅延が少ない」というプロゲーマーの発言もありました。

とは言いつつも、サイバーパンク2077の場合は、Switch 2のグラフィックが他ゲームハードと比較して大幅に劣ります。

ゲームタイトルに大きく左右される可能性も十分にあり得ますが、PS4 ProやXbox Series Sに近いグラフィック性能があると見て良いのかもしれません。

Nintendo Switch 2のグラフィック性能は、TVモードでGTX 1060相当

FLOPSの数値だけで言うなら、Nintendo Switch 2の性能はデスクトップPCのグラフィックボード『GTX 1650(約2.8 TFLOPS)』に相当すると考えられます。

ですが、様々なゲームタイトルのフレームレートや画質を比較した結果、個人的に見た目上のグラフィック性能は『GTX 1060(約4.4 TFLOPS)』に近いと感じました。

実際にNintendo Switch 2と『GTX 1060』のゲーム画面を比較しても、そこまで差は無いように思えます。

そう考えると、NVIDIA公式ブログに書いてあった「Nintendo Switch 2は前世代機の10倍のグラフィック性能」という発言もあながち間違いでは無いのかもしれません。

テーブルモード・携帯モードの性能は、TVモードの半分

TVモードは約3.1 TFLOPSに対し、携帯モードは約1.71 TFLOPSと約半分。

なので、性能もそのまま半分だと思ってもらえて差し支えないかと。

グラフィック性能としては、大体PS4よりちょっと劣る感じですかね?

個人的にテーブルモードでPS4並はちょっと盛り過ぎ感が否めないのですが、一応カタログスペック上はそうなります。

Nintendo Switch 2はコスパが高い?ゲーミングPCと比較してみた

ゲームハードに使える予算が5万円だとして、「Switch 2を買うか?」「ゲーミングPCを買うか?」で迷ってたら間違いなく『Nintendo Switch 2』一択です。

5万円のPCでは快適にゲームをプレイできない

まず、予算5万円ではゲーミングPCどころか、YouTubeを見る程度のノートPCくらいしか買えません。

少なくとも5万円のノートPCでゲームはまともにプレイできないと思ってもらって良いでしょう。

ですが、Nintendo Switch 2は5万円という価格帯にもかかわらず、専用タイトルや話題の大作ゲームを快適にプレイできる性能を備えています。

例えば、『ゼルダの伝説』や『マリオ』シリーズのようなNintendo独自の人気タイトルに加えて、サードパーティ製の重めなゲームもプレイ可能です。

一方、仮に5万円の予算でゲーミングPCを手に入れたとしても、スペック的に最新ゲームを快適に動かすのは非常に困難。

めちゃくちゃ軽いと言われている原神や崩壊:スターレイルが最低画質、画面サイズ1280×720でギリ動くレベルです。

なので、5万円以下のノートPCでゲームをプレイするのはオススメしません。

Switch 2は持ち運びに最適

Nintendo Switch 2の魅力は性能だけでなく、持ち運びが可能な携帯性や、テレビに繋いで大画面で遊べる柔軟性にもあります。

家でも外出先でも気軽に楽しめる点は、据え置きがメインのゲーミングPCにはない強みと言えるでしょう。

一応、ゲーミングノートPCという選択肢もありますが、デスクトップPCよりも値段が張りますし、重量も平均2kg前後とSwitch 2の約4倍。

まぁSwitch 2の重量(Joy-Con 2取り付け時)は約534gと、携帯ゲーム機としてはそれなりに重いので、絶対に持ち運びに最適とは言い難いですが。

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参考までに、初期Switchが約398g、Switch Liteが約275g、Nintendo 3DSが約235gとなっています

これらの数値を考えると、個人的には3DSくらいの重量(300g以下が理想)じゃないと持ち運びに最適と自信を持ってオススメはできませんね。

Switch 2のコスパは高いが、ゲーミングPCの方が高性能

結論として、5万円という予算内で最高のコスパを求めるのであれば、Nintendo Switch 2は間違いなく最適な選択肢です。

きっとユーザーに対して価格以上の価値を与えてくれるでしょう。

とはいえ、Switch 2の性能は「10万円前後で買える前世代のエントリーモデルのRTX 3050搭載のゲーミングPCにも及ばない」のは事実。

今後、モンハンなどで重いゲームタイトルがリリースされた時に、Switch 2には非対応なんてことも十分に考えられます。

そういった事情を考えると、10~15万円でエントリーモデルのゲーミングPCを買うのも決して悪くありません。

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金銭的に許されるのなら、ゲーミングPCとSwitch 2の2台持ちたい

Nintendo Switch 2は完成された唯一無二のゲームハード

ということで、Nintendo Switch 2の性能分析は以上になります。

簡単にまとめると、「TVモードのゲーム性能は、PS4 ProやXbox Series Sに近く、GTX 1060搭載のゲーミングPCと同じくらいの性能」といった感じです。

正直、最新のゲーミングPCには遠く及びませんでした。

性能にこだわるユーザーや、4K120FPSのゲーム体験を求めるユーザーにとっては、PS5やゲーミングPCが依然として優れた選択肢であるのは間違いありません。

ですが、Nintendo Switch 2の性能は、5万円という手頃な価格でありながら、重めのサードパーティ製ゲームを楽しむのには十分な性能を持っています。

また、携帯性やマリオやゼルダなどの専用タイトルの魅力を考慮すれば、間違いなく唯一無二。

「コストパフォーマンスの高さ」「どこでも気軽に遊べる」「専用タイトルの魅力」というポイントを重視する方にとって、Nintendo Switch 2は最強のゲームハードと言えるでしょう。